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【野村泰紀】量子力学の正体|世界はこんなふうに動いていた【SHIFT LIFE ch】

SHIFT LIFE ch16:04難易度:入門公開日 2026-02-13
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要約

物理学者の野村泰紀教授が、古典物理学の限界から量子力学が生まれた経緯を解説する動画。光や電子が波と粒子の性質を併せ持つこと、二重スリット実験、重ね合わせとパラレルワールド、量子コンピューターへの応用までを扱う。

動画の内容

冒頭で、量子力学は物理学の理論であると位置づけられる。物理学は自然界のルールを数学で記述し、将来や過去を計算できるようにする学問で、17世紀のガリレオやニュートンが枠組みを作った。19世紀にはマクスウェルが電気と磁気の式を完成させ、その解が波として伝わる性質が光と一致したため、光の正体は波と分かった。二つの穴に光を当てると縞模様ができることも波の証拠とされ、19世紀末には物理学で自然界はほぼ理解できたと考えられた。これが古典物理学である。

しかし20世紀直前から、古典物理学と合わない現象が見つかる。熱した鉄から出る光の色と強さの計算が全く合わなかった。マックス・プランクは、光のエネルギーが飛び飛びの値でしか出ると考えると観測と一致することを見出し、量子論の父と呼ばれる。当初は特殊な場合の現象と思われたが、1905年にアインシュタインが、光を粒子と考えないと説明できない現象が広く存在すると示し、光の粒子説を提唱した。光は波とされていたため、波とも粒子ともつかない状況になった。

さらに原子の構造が問題になる。原子は中心の原子核の周りを電子が回る構造だが、古典理論では電子が光を出してエネルギーを失い、核に落ちて原子は存在できないはずだった。ニールス・ボーアは電子の軌道が飛び飛びの値しか取れないと提案し、実験とよく合った。その理由をド・ブロイが、電子も波の性質を持つと考えれば説明できるとして示した。こうして、光も電子も波でも粒子でもなく、条件によって波のようにも粒子のようにも振る舞う「量子」だと分かった。

その振る舞いを記述する方程式が、1925年にハイゼンベルクらによって書かれ、翌年にシュレーディンガーが使いやすい形を作り、1926年頃に理論がほぼ完成した。今年がその100年記念にあたる。

量子の性質を端的に示すのが電子の二重スリット実験である。電子を一発ずつ打ち、後ろのスクリーンで到達点を見る。片方のスリットだけ開けると電子はその側にばらつく。両方開けると、電子は常に一点で検出される粒子なのに、多数回繰り返すと到達する場所としない場所が交互に並ぶ縞模様ができる。一個の電子が、もう一方のスリットが開いていることを知っているかのようだ。つまり電子は確率の波として干渉する。光も一個ずつ打って同様の結果が得られる。

理論では、上を通った世界と下を通った世界が重ね合わさり、互いに影響することで縞が生じると解釈される。これがパラレルワールド、重ね合わせである。野村教授は量子力学を「飛び飛び」と「重ね合わせ」と表現する。人間が重ね合わせを感じないのは、膨大な数の粒子でできており、全粒子が同時に干渉する確率が事実上ゼロになるからだと説明する。

最後に、近年量子力学が話題になるのは技術に直接使えるようになったからだと述べる。世界の重ね合わせを利用する量子コンピューターは、従来のコンピューターで10万年かかる計算を数十秒で行える可能性があり、難しい暗号も短時間で解けるとされる。Google、IBM、理化学研究所などが競っており、先に実用化した側が覇権を握るとも言われる。量子技術は一般の人も知っておくべきものになっている、と結ばれる。

学べること

  • 古典物理学と量子力学の関係と成立の経緯
  • 光や電子が波と粒子の両方の性質を示す理由
  • 電子の二重スリット実験が示す確率の波
  • 重ね合わせと日常で感じない理由
  • 量子コンピューターが注目される背景

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