自然科学
【野村泰紀】量子力学の正体|世界はこんなふうに動いていた【SHIFT LIFE ch】
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物理学者の野村泰紀教授が、古典物理学の限界から量子力学が生まれた経緯を解説する動画。光や電子が波と粒子の性質を併せ持つこと、二重スリット実験、重ね合わせとパラレルワールド、量子コンピューターへの応用までを扱う。
UCバークレー教授の野村泰紀氏が、ニュートン力学の限界から相対性理論・量子力学へ至る流れを解説する対談。二重スリット実験、重ね合わせと平行世界、シュレディンガーの猫、量子コンピューターや日常技術との関わりを扱う。
冒頭では、19世紀末までにニュートン力学とマクスウェルの電磁気学で光の正体まで説明でき、物理は完成したと思われていたことが語られる。しかし20世紀に入り、極めて小さい世界や極めて速い運動ではニュートンの式が現実と合わない現象が見つかった。光速に近い運動の方向へ理論を拡張したのが相対性理論で、もう一方の方向が量子力学だという。
量子力学の第一の特徴は「飛び飛び」である。自然界の量は連続ではなく、車が突然10kmから30kmに跳ぶように段階的に変化する。ただしその跳びは非常に小さいので、日常サイズでは気づかずニュートン力学で十分である。熱した鉄から出る光の波長ごとの強さはニュートンとマクスウェルの計算と合わず、プランクが光のエネルギーは飛び飛びにしか出ないと仮定すると一致した。さらにアインシュタインが、ある実験では光を粒として扱う必要があると示した。
次に二重スリット実験をホワイトボードで説明する。光は二つの穴を通ると波として広がって干渉し、スクリーンに明暗の縞ができる。これは19世紀に光が波である根拠とされていた。ところが電子を一発ずつ打っても、片方の穴だけを開けたときの分布とは異なり、両方を開けると縞状の分布になる。電子は一個しか打っていないのに干渉が起こる。野村氏は、光や電子は波でも粒子でもない「量子」という別のものだと述べる。
この現象の解釈として、電子が上の穴を通った世界と下の穴を通った世界が平行世界として重なっているという説明が示される。野村氏は、電子のレベルでは確認されており、計算は実験と非常に高い精度で一致すると述べる。そのため量子力学は「飛び飛び重ね合わせ力学」と言えるという。
この重ね合わせの極端な例がシュレディンガーの猫である。確率的に壊れる原子をトリガーに毒ガスが出る装置と猫を箱に入れると、壊れた世界と壊れていない世界が重なり、死んだ猫と生きた猫が重なることになる。シュレディンガーはミクロの理論を増幅すれば大きなものにも適用され、おかしな結論になると問題提起をした。これが元来の文脈で、ネットミームとは異なると説明される。
後半は応用の話である。iPhone、パソコン、家電、MRIなど現代技術のほとんどは量子力学の原理に基づく。量子コンピューターは重ね合わせを直接計算に使い、平行世界に計算を振り分けて結果を集めるイメージだという。Googleがスーパーコンピューターで10万年かかる計算を短時間で行ったと発表した例が挙げられ、創薬で物質の合成をシミュレーションする将来像も語られる。
最後に、量子力学を学ぶと世界の見方が広がり、ビジネスパーソンも専門家との会話で用語や現象を理解でき、発想のヒントにもなると述べる。ネット上の情報拡散や社会の分断を平行世界に例える話もあるが、直接の量子効果ではなく比喩的な類似にとどまると補足される。完全な理解を求めず、何度も見て触れてほしいというメッセージで締めくくられる。
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